平成16年6月に自宅に海水魚水槽を設置してからの、経験と考察を基に小型水槽での海水魚の飼育法を私なりに書いてみました。 これから海水魚を始める方や、現在飼育中であっても上手に飼育できない方の為に、少しでも参考になれば幸いです。
淡水性熱帯魚のお客様から、海水魚水槽の設置を頼まれました。当時の海水魚経験は、10年前に流れ藻に付く、
シマダイ、イシガキダイ、カワハギ、シイラ、カンパチ等の稚魚を捕まえ、夏の間60センチ水槽で飼育していた経験しかなく、
お客様の指定した1200水槽のオーバーフロー式水槽を管理するにはとても飼育ノウハウが無く、いったんはお断りしたのですが、
見積りだけでも出してくれと言われ、懇意にしているショップさんにお願いして、見積書を提出いたしました。
結果、3社の見積りで私の見積りが一番安く、且つ熱帯魚水槽で3年近く出入りしており、気心も知れているので、
やっぱり私が遣れとの注文を頂きました。設置は見積りをお願いしたショップの社長さん自らが、遣って頂き大変に感謝いたしました。
お客様からは、スズメ類で良いと言われ、死んでもいいから私に任すとの、これまた有り難い言葉を頂戴しておりましたので、
特に飼育の勉強もしていませんでした。
最初に入れた魚は、スズメ類30、小型ヤッコ5、ハギ類3、チョウチョウウオ3、位から始めたのですが半年ぐらいの間に殆ど死んでしまい、
1200のオーバーフロー水槽でもろ過が立ち上がるまではこんなものかと思っていました。
その後サカナの追加と水換えで、何とか凌ぎ、お客様からクレームは出ませんでしたが、管理している私としては非常に魚の死ぬ事が
不思議でなぜ???と言う気持ちでした。
1200のオーバーフロー水槽で、ライブロックを入れ、殺菌等、プロテンスキマーを付けたシステムで、魚が死ぬ原因も正確に分からず
このまま管理を続けるのは、お客様に対し申し訳ないのと、自分自身が納得いかず、改めて勉強する気になった訳です。
幸い、大変親しくしている友人が海水魚を20年に亘り飼育しているベテランで、
現在はベルリンシステムの水槽で珊瑚を中心に小型ヤッコを飼育しています。
そして、私がボランティアで関わっている間門小学校には海水性水族館が有り、管理する業者の方にも飼育に関する質問が
できる環境が有りました。
暫らくの期間はショップめぐりと、海水魚関連のHP閲覧に明け暮れ、実際に自宅で小型水槽を立上げて、良いと思う情報は採り入れ、
試行錯誤を繰り返しておりました。
設置方法は下の第2水槽と同様で外掛けフィルターと底面フィルターの直結で、唯一違う点は、濾材に極小リングが入っていない事です。
暫らくして気が付いたのですが、この極賞リングが入っていなかった為に「いばらの道の如く」好気性バクテリアが安定せず、魚の数を増やすと、亜硝酸は直ぐに増え、病魚の発生や死魚も相次いで出ました。
3〜4匹位は問題なく飼育できますがそれ以上は全くダメでした。
この写真は立上げ1年半の現在の写真でしたが、予備水槽として使用しています。
しかしこの水槽があったから次の第2水槽へのプロセスとして極小リングを入れての安定性が得られたと思っております。
平成18年1月に底面部分をSIN(新)底面濾過システムにリセットして以来水換え無しで、蒸発分のみ足し水とミネラル分の補充、
KHの上昇剤でpHを調整
飼育魚:アブラヤッコ、ヘラルドコガネヤッコ、シチセンチョウ、カクレクマノミ、マンジュイシモチ、デバスズメ、ホンソメワケベラ、ギンガハゼの計8匹
*シチセンチョウ以外はフレークフードに飛びつくように食べますが、水温は30度になっています。
ソメワケヤッコ1匹、カクレクマノミ1匹、イエローコリス1匹、ニセモチノウオ1匹、マンジュイシモチ2匹、
デバスズメ2匹、スターポリプ2ヶ、?ディスク1ヶ
このメンバーになってから3ヶ月、27リットル、実質濾材が入っているので22リットルで魚8匹は過密と思われますが、
実験水槽と考え様子を見ています。病魚、死魚はまだありません。
ライブロックモドキは昨年8月の物です。
ソメワケヤッコ1匹、カクレクマノミ1匹、ヒレナガハギ1匹、サザナミヤッコ1匹、ホンソメワケベラ1匹、サンゴハゼ2匹、ブルーヘッドダムセル1匹の計8匹。
5月になると27度を超える水温となり、珊瑚類を撤去、2日間ほどモーターが止まりイエローコリスが☆、
その他多少魚の入れ替えをして3ヶ月経ちました。夏場は水温32度が続きましたが魚の活性は高く、
背中を水面から出して餌に飛びつきます。25度で飼育するより30度が適正水温ではないかと思うようになりました。
ワンタッチフィルターは夏場の高水温時には、扇風機を当てると水分蒸発が酷く、1週間も経つと3分の1が 蒸発するように感じ、その分比重が上がりますので水質変化に恐ろしくなります。2日に1回の足し水をしていました。 別の水槽(第3水槽)はルームメイト901、17リットル水槽でセットされていたニッソー製のSQ-07という非常に弱い水中モーターを使用しております。
メーカー仕様の底面フィルターは全て外し、私なりの底面濾過システムを構築してあります。 この底面濾過方法は砂(濾材)の敷き方が重要で、一般的な方法は一種類の砂を敷き詰めるだけですが、これだけでは砂の粒を細かくすると、目詰まりし易くチャネル現象の原因と成り、粒を大きくすると目詰まりは無くなりますが、濾過効率が悪い事を経験しています。そして大きさの違った濾材を混ぜない事で目詰まりをなくす事が出来ます。ルームメイト901N水槽 17リットル
備付の濾過を外しSIN底面濾過をセット
立上げ6ヶ月 カクレクマノミ、クレナイニセスズメ、ソメワケヤッコ、サラサハタ、
ギンガハゼ、各1匹
ヒレナガハギ、ヤマブキスズメ、ギンガハゼ各1匹
とにかくヒレナガハギが強く他の魚を虐め、やっとヤマブキスズメだけが折り合いました。また、一体型の水槽で蓋がある為、水温が34度まで上がりましたが、蓋がある為に水分の蒸発はほとんど無く、魚に影響は有りませんでした。
ヒレナガハギ、ヤマブキスズメ、ギンガハゼ各1匹
9月16日水温も下がり始めたの、で予てから飼育したかったカクレクマノミとイソギンチャクを入れました。ヒレナガハギとヤマブキスズメは第1水槽へ。
飼育魚:カクレクマノミ3匹、ギンガハゼ、アレンズダムセル各1匹
最初にイボハタゴを入れましたが全く無関心、一週間後にシライトイソギンチャクを入れたところ3日後に1匹がシライトに入り、
翌日から3匹が入るようになりました。その一週間後にはシライトが分裂して2匹になりました。
イソギンには一週間に1度ブラインシュリンプを湧かし与えています。
水質浄化の心臓部で、好気性バクテリアを利用して、長期に亘ってアンモニア・亜硝酸が検出されないシステムを最良と考えています。どの飼育書やHP を開いても、この生物ろ過については、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩の変化は御題目のように書いてあります。同時にろ過器の種類については、オーバーフロー式、外部密閉式、上部ろ過、底面ろ過、等のろ過の外側(パッケージ)に拘って書かれていることが多く、実際に重要なろ過の効率については、どの様なろ材を使用して、ろ材はどの位の厚さに敷き、濾過槽を流れる水流はどの位が良いか、このような事が書かれていないのが私は不思議でなりません。
毎日お客様の水槽を管理する者として、ろ過能力の良し悪しが、魚を病気にしない・死魚を出さない・水槽が汚れない事となり、魚がいつも元気で、いつ見ても綺麗な水景を維持出来るのであって、結果お客様から引き続きの仕事を得られる事となるからです。
淡水魚水槽に於いては、私が構築した底面ろ過方法が、最良と思いますので海水魚水槽でも充分使えると判断してこの方法を使いました。しかし一般的に底面ろ過方法は、色々な不都合が伝聞されており、ここでは少し詳しく書いてみたいと思います。
安価・底砂を全てろ材として使用でき水槽水量に対し、多くのろ過面積を確保できる・エアポンプと接続する事で、エアリフト方式で、ろ過と酸素の供給が同時に出来る。
上記の3点が短所として、飼育書・HP・ショップで指摘されております。 私が提案する底面ろ過方法は、この三つの短所を解決する事で、先の長所と合わせ最良の濾過システムの構築を図ることを目的としています。名づけて SIN (新) 底面濾過システム です。
ろ過槽の、ろ材の間を流れる水の流れを、ゆっくり流れる事で好気性ろ過バクテリアの繁殖が充分得られ、且つ安定した硝化作用が行われます。この事は、長い水槽管理の経験から、水槽内の水が1時間に何回転するかで、ろ過層内を水がどの位の速さで流れているかは確認できます。
参考として60センチ規格水槽で使用されている上部フィルターをモデルで計算するとニッソースライドフィルターは10リットル/分 となっていますので 10リットル×60分=600リットル水槽の水量は56リットルですから600÷56≒10回転/時間となります。単純計算ですが、これでは水流が強すぎて充分にろ過バクテリアの繁殖と安定は得られないと考えています。
今回設置した水槽は27リットルですからニッソー製のSQ-07水中モーターを使用するとこのモーターは3リットル/分となっていますから、3リットル× 60分=180リットルで180÷27≒6.6回転 テトラOT-30は310〜380となっていますから310÷27≒11.4回転でとても強すぎて使い物に成らないので、自己責任で改造して弱くしてあります。水槽の中には底砂が入っていますので、実際の水量は、さらに少なくなりますので、回転率は上がってしまいます。もちろん砂の間を流れる為抵抗となって、回転率は下がります。
私は底面ろ過フィルターを使用して生物ろ過を利用する時には5〜6回転/時間、前後が経験上最良と考えています。そして、ろ過砂に使用する砂の大きさは3種類使用して、それぞれ振るいに掛け、大きさを揃える事で、短所の1、目詰まりや、チャネル現象を防ぎ、短所の2,の汚れは分解され、バクテリアのコロニーのみが砂の中に残るようイメージしております。実際に顕微鏡で覗いた訳では有りませんが、20年に亘りろ過システムに拘り続け、現在もこの方法が病気発生とコケの出ないシステムとして最良と考えています。目詰まりを起こさなければ、砂を水槽から出して洗う必要はありませんから、短所の3,も問題とはならず、実際にお客様の水槽は、短くて4年、長いと6年は底砂を取り出すことはありません。
海水は塩分が含まれているためろ過バクテリアが繁殖しにくく、淡水よりもっとシビアにこのバクテリアの繁殖をさせる為に、時間当たりの回転数を少なくした方が充分に効率よく濾過できると考えております。しかし一般的に海水水槽の濾過に使われているモーターは力を強く、時間当たりの回転数上げるのが常識となっており、私のような考え方は完無といって良いでしょうね。強いモーターを使用して時間当たりの回転数を上げるのは物理濾過には最適で、ゴミ取りには良いでしょうが、ろ過バクテリアの繁殖には適しているとは思えません。
好気性のバクテリアによって、アンモニア→亜硝酸→硝酸塩の硝化作用がしっかり出来れば病気の発生は少ないと予想され、最終的な硝酸塩を還元濾過により窒素ガスとして放出してしまえば、理論的には水換え不要となります。実際には有機物の蓄積や、水中のミネラル分の減少、pH・KHの低下が起こり無換水とはいきませんが、換水回数を減らす事が出来ます。
SIN (新) 底面濾過システムでは淡水水槽で使用するときは極小リングを挟んで、上下に濾材を換える事でpH5〜8までの飼育水質を維持する事が可能となり市販されているろ過器よりも、安価、効率、耐久性、メンテナンスのし易さ等、勝るとも劣らない最良の濾過システムと自負しております。
この濾過方法については、全く考えは変わっていません。病気の発生が無い事と、還元濾過との併用でコケ藻類の発生は全く無く、手の掛からない水槽となっています。
海水魚の飼育は難しく、大きな水槽を使用しないと長期には飼育は出来ないと言われておりましたので、 あえて本格的に海水魚を飼育しようなどと思っていなかったのですが、ディズニー映画の影響で カクレクマノミがブームとなり各メーカーがニモセットなる商品を販売するようになってから、 いくらなんでもこんなチャチな飼育器材で飼育できるわけは無いし、テレビでクマノミの乱獲で絶滅寸前などと 報道されるようになってから、淡水飼育の経験から自分なら飼育できると自惚れていました。
そして、ボランティアをしている小学校水族館の開放日に来られる子供達にカクレクマノミは大人気で、
飼育方法の質問を受ける事も有り、自分なりの小型水槽での本格的な勉強を始めました。
根本的な違いはもちろん海水です
人工海水で比重1,023に塩分濃度を測定し海水を作ることが、水道水をそのまま使用する淡水飼育とは全く違いますね。その後経験して分ったのですが、水が蒸発して塩分濃度が上がっても極端に魚に影響が出ないみたいです。12月に入ってからは蒸発量が激しくなり、3日に一度、ハイポを入れた水道水を温度あわせして、足し水しております。
一般的には1,023と言われておりますが、魚が元気で馴染んでしまえば問題は起きませんが、新規の導入魚については1,020前後にした方が調子は良く、1,023以上では良い結果は得られませんでした。
海水魚の飼育水は、pH8〜8,4賭されておりますので、好気性の濾過不足はアンモニアの弊害を強く受けます。淡水の水草水槽ででは、pH5〜6位ですから多少のアンモニアが発生してもアンモニウム(NH4)となり余り影響は有りません。従って好気性の濾過は非常に重要で淡水以上にシビアに考えなければならないと思います。
硝酸塩これは淡水魚飼育では水草に吸収されたり、ある程度の濃度になっても魚たちは耐えてくれますが、海水魚の飼育に於いては換水で除去しないと魚たちには大きな影響があると思われます。私の立ち上げた水槽では初期の頃、テトラのNO3試験しで300〜400mg/lの数値が検出され、通常いわれている 20〜30 mg/lの値とはかけ離れた数値となっており新規に導入したヤッコ類などは、随分殺してしまいました。
この数値を処理するには、頻繁に水換えを行わなければ成らず、大変な手間と労力になってしまいます。
好気性の濾過が働けば働くほど硝酸塩は蓄積されますから、ちょっと換水をサボると恐ろしいほどの数値となり魚たちは調子を崩しました。小型水槽は茨の道,と言われるのはこの硝酸塩の影響かと認識しております。
先に書いた、還元濾過ボックスの設置により、硝酸塩の減少により水換え頻度も減り、ソメワケヤッコも飼育可能になったと思っています。
海水魚飼育にはクーラーが必要とよく言われております。これは真夏の水温対策として25度を維持する為に使用したほうが良いですよと、ペットショップ等では勧められます。しかし昨年の夏に32〜33度になったときには特別変わった事は無く、無事乗り切りました。もちろん飼育魚が丈夫な魚ばかりで、ヤッコやチョウチョウウオに当てはまるか如何かは、まだ分りませんが、私が趣味で飼育している卵生メダカのアフィオセミオンなどは、30度が3日も続けば確実に水面を泳ぎ始め、一週間後には死んでしまいますから、スズメ、ベラ、クマノミ類は丈夫ですね
フレークフードなら何でも良いと考えています。飼育初期に大失敗をしました。フレークを食べない魚に淡水用の冷凍赤虫を与えると喜んで食べるので、これを与え続けました。スズメ類は影響が無かったのですが、それ以外の魚が死に始め、カクレクマノミがエサを食べた後に、お尻を上げ下に潜れないようになったのを気が付きました。結局そのカクレも殺してしまい、冷凍赤虫が原因と分ったのが、2ヵ月後でした。以後魚との根競べでフレークフードのみで飼育しています。淡水魚は90パーセントが養殖ですから水槽に馴染めば、必ずエサを食べますが、海水魚は食べないまま死んでしまうケースも多々有りますので注意が必要です。
現在使用している餌はメダカ用の細かいフレークですが、チョウチョウ以外の魚には2〜3日で食べ始めます。特にケントロ系のヤッコ類は例外なく食べ始めますのでハギ類ベラ類スズメ類は間違いなく食べ、与える回数は3〜5回/日程で、ベルリンシステムでサンゴとケントロ系を飼育している友人は「こんな細かい餌をそんなに入れて大丈夫?」とあきれています。 小まめに遣る事で魚たちは常に全面に出て、人の姿を感じると水面に上がり餌をねだります。こうなると淡水魚並み、いや淡水魚より飼育が楽に感じます。
淡水の混泳水槽では同種のカラシンを群泳させることは充分可能ですが、海水魚に於いて同種と複数入れることは避けなければなりません、スズメダイの仲間もショップでは群泳していますが、5匹・1,000円に釣られ飼育し始めると縄張り争いから殺し合いとなります。淡水魚ではアフリカンシクリッドと同様以上と考えた方が良いでしょう。私の水槽でもカクレクマノミの噛み付き合いは恐ろしいほどの迫力で、注意が必要です。
淡水水槽ではブルーライトを使用することはめったにありませんが、海水魚水槽ではこちらを使用しています。これは海の雰囲気と、海水魚やサンゴ類を美しく見せる為と考えられていると考えております。蛍光灯のランプを変えることで解決できますね。
最近のヒーターは淡水、海水に使用できますね。
左は、1200水槽のクーラーと殺菌灯。
お客様の1200水槽では初期に設置していましたが、効果の程が良くわかりませんでしたので、現在はプロテェンスキマーを取り外し、殺菌等は点けたり、点けなかったりしています。
殺菌灯については、病気は淡水海水も同様に濾過の問題と考えていますので今の時点では高価な器具をあえて小型の水槽に必要と感じていません。
プロテェンスキマーについては、理屈どおり働けば素晴らしい効果があると考えられますが、実際に2年間使用して、外した後も問題なく飼育できていますので魚のみの飼育では殺菌等と同様です。
現在プロテェンスキマーと殺菌等は使用していませんが、必要性を感じていません。
特にプロテェンスキマーの細かいエアレーションは、コケの繁殖を促すようで、私の水槽ではエアレーションも極々少なめです。また高水温で白点病も全く縁が無く、その他の細菌性の病気も発生していません。
淡水魚ではこれに似たようなものは無いですね。ライブロックを入れないと水が出来ないとか、硝酸塩を減らしてくれる等の話を良く聞きますが、効果の程ははっきり分りませんね。但し海の雰囲気をかもし出してくれる事は間違いありません。私はサンゴの飼育が殆ど経験ありませんので、まだ価値観が分っていない事も考えられます。 現在使用している採取したライブロックもどきには、ライブロックと同様の効果があるか如何かは判っていませんが、魚の隠れ家と海の雰囲気をかもし出すのは間違い有りません。そしてこの石に付着している石灰藻は水質維持の目安になり、pH・KHの低下を確認できます。小さな水槽に石を入れることで更に水量が減り、水質変化が起き易くなりますが、以上3点の理由で入れたほうが良いと考えています。
海水魚を始め1年半を経過して、小型水槽での海水魚飼育は充分に可能と考えています。ポイントは濾過能力と濾過効率を上げ、その結果好気性濾過で蓄積される硝酸塩を還元濾過によって窒素ガスとして放出してしまえば、水質的に比重1.023 以下、pH8以上、KH7以上、NH3-0、NO2-0、NO3-50mg/L以下を維持することで換水期間もはっきり分り、長期の飼育も可能と考えています。問題は市販されている濾過器と濾材を使用して前期の数値を維持できる製品が在るかどうかで、ここに書いたSIN (新) 底面濾過システムを使用した時の話です。
また、このノウハウをもとに今年度より小型海水魚のレンタルとメンテナンスを考えておりますので、敢えて全てのノウハウをここに書いては有りません、この仕事で生活をしていく以上企業秘密も有りとご理解を頂きたいと存じます。全てのノウハウはアクアシステムサービスのお客様に全力を傾けたいと思っております。
上記のノウハウを基に海水魚水槽を立ち上げました。 自宅や店内の水槽のように毎日点検できる水槽はいか様にも管理できますので、実際にお客様にモニターになって頂き、1〜2週間の点検でタイトルどおりの水槽が可能か?2ヵ月後の立上げ官僚まで経過報告していきたいと思います。
一般的には難しいとされる海水魚飼育を淡水魚並みに40cm水槽で立ち上げてみました。
海水魚のベテランからは、そんなもので上手く維持できる訳無いだろう、の声が聞こえてきそうですが、お客様にモニターとなって頂き、経過報告をしていきたいと思います。
設置にあたり初心者の方にも、理解し易いよう噛み砕いて書いていきます。
飼育用の海水は、pH8.0前後のアルカリ性ですから、非力脆弱な濾過器では濾過不足によって猛毒アンモニアの脅威に晒されますから、好気性の生物濾過が効率良く機能する濾過システムが最重要と考えました。市販されている小型水槽用の濾過器(フィルター)では、効率が良いと言われる外部フィルターや、多くの方が使用している上部フィルターでは、生物濾過をする濾過槽が小さく致命的で長期の飼育には耐えられないことが私自身理解していますので、多段式底面フィルターのSIN底面システムを採用して構築していきます。このシステムは安価なニッソーバイオフィルターと水量の弱い水中モーターとの組合せと、濾過バクテリアの棲家として適している極小リング、海水魚飼育濾材の定番サンゴ砂の中・小とを濾材(底砂)にして、充分な広さを持った濾過器としています。
底面全体の半分を上記の好気性バクテリアによる猛毒アンモニア(NH3/NH4)→有害な亜硝酸(NO2)→比較的無害な硝酸塩(NO3)の酸化作用を行い、残り半分を嫌気性のバクテリアを利用して硝酸塩(NO3)を窒素ガスにして水槽内へ放出する還元濾過を行う予定ですが、実際に還元が行われるかは私自身も不明な為、実際に実績のある海水館様開発の還元濾過ボックスを別途自作で設置いたします。
お客様は横浜市中区にある作曲家檀一郎さんのお店ディージー様です。
お店には90センチ水槽でゴールデンセベラムを飼育中ですが、以前ディスカスの飼育時には
熱帯魚雑誌にも紹介されたとの事でした。
今回はカウンターに置かれていた40センチのプラティ水槽を海水魚仕様に変更して
経過を報告していきたいと考えています。
一ヶ月経過して水換えはもちろん水槽内の掃除もしていませんが、pH7.9、亜硝酸(NO2)0.3mg、硝酸塩(NO3)10mg、コケと塩ダレは一切有りません。今後水質を検査してKHの上昇剤、嫌気性バクテリアのエサ、自製還元濾過ボックスの投入を考えております。
飼育生き物:カクレクマノミ2匹、ソメワケヤッコ、カンムリニセスズメ、インドカエルウオ、イエローコリス各1匹。 シライトイソギンチャク、スターポリプ、ケヤリムシ、海草。
8月の中旬には水温35度が続きましたが、クマノミ2匹とナンヨウハギ、サザナミヤッコは順調でしたが、 近海のヤドカリとシッタカを投入して3日後に全滅。近海物のヤドカリが高水温で死滅後アンモニア中毒を発生したと考えています。
水換えはせずに亜硝酸検査を毎日して7日後に発生しなくなりましたのでカクレクマノミ2匹を投入しましたが、
水温は34度を下回りませんが、徐々に魚や無脊椎を追加して現在に至っています。
立上げから半年間、水換え無しで足し水のみ、苔は殆んど発生せず水質調整のみで小型ヤッコが飼育出来る環境になりました。
平成18年3月12日に第4水槽を立ち上げました。
ストック水槽として採取したライブロックもどきとヤドカリ、シッタカ、採取した小魚とエビですが、戸外で45×30×36水槽です。システムはSIN(新)底面濾過と自作還元濾過ですが、6月に入り水温も25度近くなりましたのでスズメ類を5匹導入しました。午後からは直射日光が当たる為、日中は簾を掛け水温上昇とコケ藻類の発生を防いできましたが、8月上旬は水温36度が続いていました。これは戸外の為に野良猫が多く過去に金魚を沢山殺された経験からガラス蓋をしています。ヤドカリ、シッタカは大分☆となりましたが、採取物のエビとスズメ類はいたって元気で餌に飛びつきました。そして光が強いにも関わらずコケ藻類は全く繁殖せず、立ち上げてから水換え無しで、水も余り蒸発せずわずかな足し水だけですが、ガラス面を含め一度も掃除をしていません。
水温に関しては、熱帯性海水魚は熱帯性淡水魚に比べて明らかに高水温に強いことを実感しています。